子どもと絵本を楽しむために必要なもの

子どもと絵本を楽しむ方法

子どもに絵本を読み聞かせるとき、何を気にしていますか?

子どもに絵本を買ってあげる時、どんなものを選びますか?

子どもに絵本を読み聞かせるとき、大人は楽しんでいますか?

教育を求めてはいけない

絵本講師の内田早苗さんが「マツコの知らない世界」に出演した際、こんなことを主張されました。

絵本に教養を求めるな!
絵本は子どもとただ楽しむもの

出典:「マツコの知らない世界」youtube

この言葉を聞いて、ハッとする人もいるのではないでしょうか。

内田さん自身、自分の子どもにたくさんの絵本を読み聞かせてきた経験の中でそのように感じ、「(教育に)役立たない」「しつけに効かない」とまで断言されました。

実は内田さんが「マツコの知らない世界」に登場した際、その収録を高校生の息子さんも見学に来ていました。話の流れから、内田さんが息子さんに数年前、最後に読み聞かせた絵本のことを覚えているか聞いてみると「覚えていない」とのことでした。
「なるほどこういうことね」とマツコさんも納得。数年前のことであり、しかも小学校高学年という年齢だったにも関わらず、息子さんの返事には驚いてしまいました。

絵本を読み聞かせることは、案外そんなものなのかもしれません。大人のほうは、子どもに対して「こうしてほしい」「こんな人間になってほしい」と願って絵本を読み聞かせます。しかし、そんな大人の思いは、子どもにはほとんど通じていないのでしょう。

私も毎晩寝る前には息子に絵本を読み聞かせているのですが、実体験として同じことがいえます。私が一番感じたことは、大人が読ませたい絵本と子どもが読みたい絵本が違うということです。

例えば「ちゃんと歯磨きしてほしい」と思ったら、歯磨きを教える絵本を使ってどうにか子どもに実行させようとします。「ご飯を残さず食べてほしい」と思ったら、ご飯を残さず食べている子どもが出てくる絵本を読み聞かせます。そして「絵本のあの子みたいに頑張ろう」と言ってしまいます。

初めのうちは頑張ってくれるのですが、そのうちやらなくなります。それどころか、その絵本にはほとんど触れなくなってしまいました。
絵本は教育に役立たない」ことを、つくづく感じさせる出来事のように思います。

また、図書館でたくさん絵本を借りて帰ってきたときには、予想していなかった意外な絵本に手を伸ばし、しかも毎日同じ絵本を見たがることもよくありました。
逆に、「有名だからこれを読み聞かそう」と思っていたものには一切興味を示さないことも。「子どもの好みはよくわからん」というのは、まったくその通りだと思います。

子どもとただ楽しむもの

「絵本は教育には役立たない」と考えると、絵本の利用の仕方は必然的に変わってくるのではないでしょうか。つまり「教育としての絵本」が「絵本は子どもとただ楽しむもの」になるのです。

絵本を読むとき、大人の姿勢はどうでしょう?例えば、テレビを見ながら、洗濯をしながら、仕事をしながら、というように「○○しながら」絵本を読むことってできるでしょうか?

できないですよね。
絵本を子どもに読み聞かせる時は、大人も絵本にかかりっきりになります。これが大切です。絵本を読むときは大人も子どもも絵本に集中しています。2人そろって同じ時間を共有することが、子どもにとって何よりうれしいことなのです。
また絵本を通してコミュニケーションをとることができます。ほんのわずかな時間でも、一緒に触れ合うことができるのは、一生の思い出になるでしょう。

絵本の「待ち読み」

内田さんは「待ち読み」というものを推奨しています。待ち読みとは、子どもの反応を待つということ。読み替えをしたり、作品に描かれている以上のことは言わず、子どもの反応を待つということです。

ついつい大人は、子どもの反応を見たくて話しかけたり、問いかけたりしてしまいます。でも、子ども自ら感じとり、考え、反応することが大切です。
先に大人が口を出してしまうと、子どもはそれ以上のことを考えなくなります。感性豊かな心を育んでいくためにも、待ち読みは読み聞かせの中でも重要な方法です。

絵本は子どもに教養を身に付けさせるためではなく、親と子、大人と子どものコミュニケーションツールです。

大人の考えを押し付けるのではなく、子どもの反応を待って、子どもの思いを聞き、お互いの関係を深めていきましょう。

待ち読み絵本講師内田早苗さんのHPはこちらから

大人が絵本を楽しめない理由

子どもに絵本を読み聞かせるときには、大人も一緒に楽しむことが大事です。

でも、なかなか一緒に楽しめないのも事実です。

なぜ大人は楽しめないのでしょうか。

何を選んでいいかわからない

出版不況といわれる昨今、絵本は別で、次から次へと新しいものが出版され、業界は右肩上がりで成長し続けているといわれています。
芸人が絵本を出したりもしていて、絵本は増え続けているのです。

そんな中、「子どもにいいものを読ませたい」とか「いろんな知識を身に付けてほしい」と考えながら絵本を探していると、あまりの数の多さに何を選んだらいいかわからなくなってしまいます。

「絵本を選ぶ」という行為が大人のストレスになり、自然と遠ざかっている原因になっているでしょう。

先にも書きましたが、絵本はあくまでも子どもとコミュニケーションをとるためのツールです。

「いい絵本」かどうかなんてわかりませんし、子どもにとっては関係ありません。まずは大人が自分で気になったものを手に取ってみましょう。

また、できることなら子どもと一緒に絵本を買いに行くのもいいでしょう。
その際に注意することは、「こっちのほうがいいんじゃない?」と提言することはやめるということです。例えば3歳の子が5歳向けの絵本を選んだとしても、できるだけ子どもが自分で選んだ絵本を買ってあげるようにしましょう。

教育をもとめるな

何度も言いますが、大人は絵本に教育を求めてしまいます。絵本を使ってしつけをしようとしてしまいます。しかし、子どもは絵本を使っても大人の思い通りに動いてくれません。
それが結果的にストレスになり、絵本を楽しめなくなっているのです。

あくまで絵本は子どもとコミュニケーションをとるためのツールです。
子どもが理解してなかろうが、同じ時間を共有していることをしっかりと感じとり、親子の触れ合いを大切にするようにしましょう。

「マツコの知らない世界」で紹介された絵本

「マツコの知らない世界」で内田早苗さんが紹介された絵本を紹介します。

私の息子も気に入っていて、よく読み聞かせています。

ごぶごぶごぼごぼ

鮮やかな色づかいと、盛りだくさんの擬音語が、子どもの興味を引き付けます。

実はこの音、お母さんのおなかの音をあらわしたものだそうです。初めて絵本を読み聞かせる0歳の子でも楽しめます。

くだもの

たくさんの果物が登場します。

この絵本を読んでいると、子どもが不思議な行動をとります。

それは、絵本の果物をとって食べようとするのです。

実はイラストのフォークの角度や向きまで計算して描かれているようです。子どもが思わず行動したくなるのも、この絵本のいいところです。

これはのみのぴこ

「これは のみの ぴこ」
「これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもん」

このように、最初は短かった文章が、ページをめくるたびにどんどん文章が増えていき、最終的にはとてもながーい文章になるのです。

作者が聞き心地を大事にして作ったそうで、その音やリズムがとても楽しく聞こえます。

おいしいおと

食べ物を食べる時の音って、どんな音を想像しますか?

むしゃむしゃ
ぱくぱく
もぐもぐ

この絵本の作者は4歳の時に失明し、全盲となりました。だからこそ感じる「たべものの音」。

一風変わった音を聞かせてくれます。

オニのサラリーマン

オニのオニガワラ・ケンがびしっとスートを決めて出勤します。

この世の社会の厳しさを描きながらも、関西弁を使うことで柔らかく表現し、面白おかしい一冊です。

パンツのはきかた

ブタの女の子が一生懸命にパンツをはくという、なんとも愛らしい絵本です。

実は「歌絵本」になっていて、最後に楽譜がついていて物語を歌いながら進めることができるのです。

おむつからパンツに変わるのは、子どもにとっての一大イベントです。歌と一緒にみんなで挑戦しましょう。

あなたがとってもかわいい

あなたが子どもに伝えたいことは何ですか?

伝えたいことは全部伝えられていますか?

子育てって本当に大変なものです。いいことばかりじゃないでしょう。ついつい腹をたてて怒ってしまうこともあるでしょう。でも、子どもを思う気持ちは変わらないのではないでしょうか。

絵本を通して、気持ちを伝えてあげましょう。

最後に

子どもに絵本を読み聞かせるときに大切なものはこの二つです。

・教育を求めない
・ただ楽しむこと

絵本を使ってうまく子どもとコミュニケーションをとって、よい絵本ライフを送りましょう。