お寺の掲示板『したらあかんことはしたらあかん』

凡夫のこころ

み法聞く身となるまでは  己が心のおろかさを

知らず我こそ善人と 思い上がっていたけれど

気づいてみれば恥ずかしい 智慧も力もないくせに

己が力で何もかも 出来るやれると思い込み

生きているのも我が力 食うているのも我が力

誰の世話にもならんぞと 力む我が身の身体さえ

生まれた時から死ぬるまで 人のお世話になりどうし

吐く息、吸う息、みな空気 水一滴もみ仏の

恵みなければ、得られない おかげを知らず、愚痴小言

我が身勝手を棚に上げ 人の落ち度のあらさがし

よその秘密を聞きたがり 言うなと言えば言いたがる

人が困れば、うれしがり 友の成功、ねたましい

少しのことを恩にきせ 受けたご恩は、忘れがち
見よと言われりゃ見たがらず 見るなといえば、尚見たい

するなといえばしたくなり せよと言われりゃ嫌になる

天の邪鬼ではないけれど 素直になれば敗けたよに

思う心のひねくれを どうすることも出来ぬ我

あぁはずかしや、我が心 地獄行きとは吾ことよ

それを地獄にやるまいと 四十八願 手をひろげ

救わにゃおかぬご誓願 弥陀のご恩の尊さを

知らせたまえる祖師知識 ああ、ありがたや南無阿弥陀仏

『凡夫のこころ』作者不明

凡夫とは、仏教の道理を理解することができない、愚かな人のことをいいます。

すなわちそれは、私自身のことをいうのです。

煩悩にまみれた私たち凡夫は、するなと言われればしたくなり、せよといわれるとやらないという、なんとも自分勝手な人間です。

お釈迦様の教えのとおりに実践し、心身ともに浄めることができれば、真の安らぎにいたることができるのに、まったく実践することができません。

それゆえに、自分で自分の首をしめ、自ら苦しみにいたることになっているのです。

そんなどうしようもない私たち凡夫でありますが、凡夫だからこそ、阿弥陀仏は救ってくださります。

無条件の慈しみをもって、いつも気にかけ、もしもの時には迎えに来てくださります。

この阿弥陀仏の私たちを思う心があるからこそ、安心して私たちは生きることができるのです。

阿弥陀仏の慈悲の光に包まれていることをしっかりと自覚し、したらあかんことはしないように気をつけながら、日々の生活を過ごしていくようにしましょう。

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