笑う門には福来たる

2021年新年法話「笑う門には福来たる」

笑う門には福来たる

新年明けましておめでとうございます。

お正月はひとつの節目です。「今年こそは」という何らかの決意を新たにする機会になっているのではないでしょうか。

「一年の計は元旦にあり」というように、何らかの計画をたてることと思いますが、

「笑う門には福来たる」

で、一年間お互いに笑って暮らしましょう、と、提案したいと思います。

人間が他の動物と異なる点はいくつかあると思いますが、例えば、立って歩くこととか、熱や光をとるために火を作ることや、鏡で自分の姿を映して見ることなどは、人間だけで他の動物はやらないことです。

立って歩くということは、手が自由に使えるということです。それは、働くということでもあります。

鏡で自分の姿を映すことは、自分の姿を振り返る、自分を反省するということです。

だから、手や火を使って大いに働けば働くほど、また、自分というモノを反省すればするほど、人間は他の動物と違ってますます人間らしくなるのです。

しかし、考えてみれば笑って暮らすということは、口で言うほど簡単なことではありません。

時には腹の立つこともあるでしょうし、なんとなく心の弾まないときもあるでしょうから、それでも笑い通すということは大変なことです。

そこには、相当な忍耐力と努力精進が必要です。

よほどの決心がなければ、そういつも笑っておれるものではありません。

仏教が説く努力目標の第一に「布施」つまり「ほどこし」ということがありますが、その「ほどこし」の中に「和顔施(にこやかな顔のほどこし)」とか「愛語施(やさしい言葉のほどこし)」ということも教えています。

ニコニコした顔で愛想のよい言葉遣いをすることが相手の人や周囲の人の心をなごませ、世の中を明るくするので、それは立派な「布施」という修行になるのです。

周囲が明るくなれば、自分の心も明るくなることは、いうまでもありません。

ようするに、笑って暮らすことは「布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧」などの仏教徒としての努力目標がかなえられることになるのですから、お互いに大いに笑いながら仏の道を進みましょう。

よい一年となりますことを願っております。

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