天知る 地知る 我知る 汝知る
中国の故事にある有名なお話です。
王密が楊震に賄賂を贈ったところ、楊震はそれを断りました。王密が「今は真夜中なので、これを受け取っても誰にも気づかれません」と言うと、楊震がこう答えました。
天知る 地知る 我知る 人知る
誰も知る人がいないと思っていても、天も地も自分もあなたも知っているのだから、悪事を働いてもいつか必ず発覚するということです。
「誰も見ていないから、ちょっとそこにゴミを捨ててしまおう」とか「誰も見ていないうちにサボろう」と、自分が何かふと悪事を働こうとしたときには「誰も見てないから」と考えることが多いのではないでしょうか?
人は見られていることを意識することで、行動が変わるといいます。
例えば、デスクのすぐ近くに目の写真のポスターを張るだけで、集中力が上がり作業効率が上がったといわれています。
また、不法投棄やごみのポイ捨ての被害にあっている河原に目の写真の看板を立てることで、不法投棄が大幅に減ったという事例もあるそうです。
これらの件は、見られているということを意識することで、人の行動が改善されるということを証明しているのです。
仏教の歌に「ほとけさま」という歌があります。
「ほとけさま」
作詩 森山美苗
作曲 弘田 龍太郎
ほとけさまは どこに
どこにいらっしゃる
春は花咲く 枝のもと
夏は水辺の 草のかげ
秋は空ゆく 雲のうえ
冬は窓うつ 雪のなか
いつもどこかで 見ていて下さる
いつも 何かを教えて下さる
ほとけさまは
あれあれ あそこにいらっしゃる
仏様はいつでもどこでも私たちのことを見ていてくれています。
救おうといつも力を働かせてくれているのです。
私たちは仏様に守られて生きています。
仏様に生かされているのです。
そのことを思うと、悪いことなんてできないのではないでしょうか?
人間は生きるために必死です。
生きるためには悪事を働かすこともいとわないのが人間です。
しかし、そんな私の考えはすべて阿弥陀様にはお見通し。
「誰も見てないから」と思っても、阿弥陀様には筒抜けです。
今日も阿弥陀様に見守られています。
どうせ見られるなら、いいことを見てもらうように心がけましょう。