【納骨と永代供養の違い】総持寺で納骨・永代供養をする時の注意点 

総持寺では、ご遺骨をお預かりする納骨と、お寺が代わってご供養する永代供養のどちらも承っています。

近年、供養の形が多様化しているため、「納骨=永代供養」のように混同されがちです。しかし、これはそもそも全く別のものなのです

ここでは、総持寺での取り扱いを例に、その違いと注意点をわかりやすくご説明します。

「納骨」とは:ご遺骨を納め、安置すること

総持寺の納骨堂。お墓を持たない人が増え、今までお墓に納められていた全骨もたくさんお祀りされている。

納骨とは、故人様のご遺骨を納めるです。お墓のカロート(納骨室)やお寺の納骨堂など、ご遺骨を安置する場所に納める行為を指します。

ご遺骨は、火葬後にすべてを大きな骨壺に入れる全骨(ぜんこつ)と、喉仏(のどぼとけ)など一部のご遺骨を小さな骨壺に入れる分骨(ぶんこつ)に分けられます。

  • 全骨:一般的にお墓に納められる、大部分のご遺骨。
  • 分骨(喉仏など):仏様の座禅姿に似ているとして大切にされ、本山などご縁のあるお寺に納められることが多いご遺骨。

総持寺に納骨をご希望される際は、どちらを納めたいか(「全骨の納骨をしたい」または「分骨(喉仏)の納骨をしたい」)を明確にお伝えください。

「永代供養」とは:供養のあり方のこと

新しくお仏壇を購入しなかったり、仏壇じまいをする人が増えてきた。自宅でお祀りできないご先祖様は、永代供養として位牌を祀って供養している。

永代供養とは、「永代にわたって」ご先祖様や故人様を、お寺が代わりにご供養していくことを指します。

核家族化やライフスタイルの変化によって、自宅に仏壇を置けなくなったり、お祀りする方がいなくなったりするケースが増えてきました。ご自宅でお祀りができなくなったご先祖様を、お寺が代わりに祀りして、毎日のお勤めなどで供養を続けていくのが永代供養です。

永代供養は、ご遺骨を納めること(納骨)とは別で、ご供養のあり方に関するものなのです。

納骨と永代供養の「大きな違い」

最も重要な注意点は、「納骨をしたからといって、永代供養もされたことにはならない」という点です。納骨はあくまでご遺骨を安置する場所、永代供養はご供養の方法と考えましょう。

総持寺では、納骨と永代供養を以下のように明確に区別しています。

納骨
・納骨棚に5年間安置
・5年以降は「やすらぎ廟」に合祀
・年に一度「納骨総回向」にて納骨の精霊の一斉のご供養
・毎朝のお勤め、供養

永代供養
・位牌堂に位牌を安置
・永代にわたって供養
・年に一度「永代供養法要」にて一斉のご供養
・毎朝のお勤め、供養

それぞれ違いはありますが、当寺では毎日ご供養しておりますので、ご安心ください。

「納骨」「永代供養」とさまざまなケース

墓じまいや仏壇じまい、また墓や仏壇を建てない、持たないという人も多くなってきたように思います。そんな中でも、故人の供養はしたいという人がほとんどです。

こうしたさまざまなケースがある中で、納骨、永代供養、どちらを選べばいいのでしょうか。

「墓じまい」と「仏壇じまい」

墓じまい仏壇じまいをして、これまで自分たちでお祀りしていたご先祖様や故人様をお寺でお祀りするケースです。

総持寺でも、それぞれの場合に対応して納骨や永代供養としてお祀りさせていただきます。

「墓じまい」したら納骨

墓じまいをする場合、まずは菩提寺にお願いして撥遣供養(お魂抜き)をしてもらいます。そして石材屋さんなどにお願いをしてお墓を撤去します。この時に、これまでに納められた故人様のご遺骨を取り出します。

取り出したご遺骨を総持寺で納める場合、納骨(全骨)になります。

「仏壇じまい」したら永代供養

仏壇じまいをする場合、まずは菩提寺にお願いして撥遣供養(お魂抜き)をしてもらいます。撥遣供養をしたお仏壇やお位牌は、仏壇屋さんなどに引き取っていただきます。

これまでご自宅で供養していたご先祖様を総持寺で供養する場合、永代供養となります。

「お墓を持たない」「お仏壇を持たない」場合

「先祖代々お祀りしてきたお仏壇はあるけど、お墓は無くて購入する予定もない」

「昔購入した墓地があるのでお墓は建てるけど、お仏壇はお祀りできない」

このように、ご家族が亡くなって供養したいけど、どちらかしかできない場合、またその両方ができない場合などは、どのようにすればいいでしょうか。

お墓を持たない場合は納骨

お墓を持たないということは、ご遺骨を納める場所がないということです。その場合はご遺骨を納骨堂に納める納骨をします。

総持寺に納める場合は「納骨(全骨)をしたい」と言ってご連絡ください。

お仏壇を持たない場合は永代供養

お仏壇を持たない場合は、ご先祖様をお祀りする場所が必要ですので、永代供養として位牌堂に位牌を祀り、お寺でご供養いたします。

この場合は「永代供養をしたい」と言ってご連絡ください。

お墓もお仏壇も持たない場合

お墓を購入する予定もなく、お仏壇もお祀りできない場合、その両方をお寺で預かって供養いたします。
その場合、ご遺骨は納骨堂へ納め(納骨)、位牌堂に位牌を作ってお祀り(永代供養)してご供養いたします。

お墓の代わり、お仏壇の代わり

様々なケースと、それに対応して納骨をすべきか永代供養をすべきかを紹介しました。

とても簡単に言ってしまえば、納骨堂がお墓の代わり永代供養がお仏壇の代わり、と思っていただければわかりやすいのではないでしょうか。

時代の流れによって、この他にもいろいろなケースが出てくると思います。

分からないことは直接お寺までご連絡ください。

さいごに

大切な家族が亡くなったのち故人様を供養することは、残された私たちの大切な勤めです。だからこそどのようにお祀りし、供養していくかを真剣に考えなければいけません。

また、ご先祖様を敬い、故人を供養することで、忙しい毎日を送っている私たちに休息と安らかな心を育むことができます。

お墓を持たずにお寺に納骨することや、永代供養をすることは、いくつかある供養の方法の一つにすぎません。

どういう供養の方法が一番合っているのか、時間のある時に家族で話し合い、みんなが納得できる方法を選ぶようにしましょう。