口は災いのもと
私たちの行動を大きく分けると、身体と言葉と心で行っています。これを身・口・意の三業といいます。よい行いも、悪い行いも、すべては身体と言葉と心から表れているのです。
中でも注意しなければいけないのは、言葉による行いです。
・妄語(もうご) 嘘をついたり、でたらめをいうこと
・綺語(きご) みだりに飾り立てた言葉 きれい事
・悪口(あっく) 悪口 誹謗中傷など
・両舌(りょうぜつ) 二枚舌 他人を仲違いさせるような言葉
これらの行いには、十分注意しなければいけません。
ネット社会になった現代、SNSなどで簡単に自分の意見が言えるようになりました。
しかしその中をのぞいてみると、インターネットは匿名で発信できる分、人間の本心が満ちあふれています。
他人を誹謗中傷する言葉がありとあらゆるところに蔓延しています。
そして、そのせいで傷つき、悲しみ、人生が大きく変わってしまった人も少なくありません。
このように、他人の人生を左右してしまうほど強い力を持っている言葉ですが、お釈迦様は、悪口を言うことによって自分自身も傷つくのであるといいます。
愚者は悪口を言って
その斧によって自分を切り裂くのである
スッタニパータ
もし「自分は悪口を言われても平気。だから他人に悪口を言っても大丈夫」という考えを持っている方がいたら、今すぐ改めるようにしましょう。
同じようなことを言っていた知人は、ひょんなことから周りから非難されて、精神的に病んでしまいました。それほど言葉というものは、想像以上の攻撃力を備えているものなのです。
「悪口を言ってはいけない」というのは、学校で習う当たり前の道徳ではなく、それ以上に人の人生を左右してしまうほどの大きな行為であることを、よくよく理解するようにしましょう。