心はいつまでも成長する
「諸行無常」という言葉があるように、世の中のものはすべて移ろい変わっていくものです。そして必ず滅んでいく運命にあります。
それは私たちも同じです。
一年、一年と年を重ねるごとに、肉体は衰え、病に侵され、いつか必ず死ぬ運命にあります。
若い時と同じように体を動かすことができなくなり、体力の衰えを感じながらどうすることもできず、そして肉体が滅んで行ってしまうことは、生きている者の身としては仕方のないことです。
しかし、肉体は滅んでいくとはいえ、心はいつまでも成長し続けることができます。
一日24時間365日の中で心はコロコロ変化しています。善いことも嫌なこと、うれしいことも悲しいこと、一瞬の間にそれらの感情が瞬く間に変わっているのです。
肉体が常に同じ状態を持つことが無く常に変化し続けているように、心も常に変化し続けています。
ただ、心が肉体と違うところは、ただ滅んでいくだけではないということです。体は鍛えても衰えていってしまいますが、心は鍛えれば鍛えるほど強くなり、学べば学ぶほど成長していくことができるのです。
晩年になると、体が思うように動かなくてストレスになったり、死ぬことに対する不安が大きくなったり、生きていることに対する虚しさのようなものが感じることが出てくるかもしれません。
しかし、世界は美しいものであふれています。四季折々の花は目を喜ばせ、静かに登る朝日は体を温めてくれます。よく味わえばお米のひとつぶの甘さがよく感じ、お風呂はその日一日の疲れを癒してくれます。
喜びも悲しみも、好きも嫌いも、すべては自分の心が生み出しています。
死を身近に感じる晩年も、心がイキイキしてくれば、周りの見方が変わり、おもしろい一日に変わっていくでしょう。
