一歩踏み出す勇気
現状を変えるには、大きな勇気が必要です。
人は、苦しい状況におかれていても、それを変えて行くだけの一歩を踏み出す労力のことを考えると、「今のままでいいか」と考えてしまうクセがあるそうです。ちょっと行動すれば今の状況を変えることができるのに、結局は現状に甘え、それなのに「苦しい」「つらい」と嘆いているのが、私たち人間なのです。
お釈迦様は、シャカ族の王子として生まれました。食べたいものは食べられるし、着たいものは着られるし、欲しいものは手に入る、物には恵まれた環境で育ちました。しかし、物には恵まれているとしても、心では満足できず、虚しさを感じ、生きることそのものに疑問をいだきました。
自分は、何のために生きているのだろうか・・・?
そんな悩み苦しみから解放されるため、お釈迦様は出家するという道を選びました。当時、出家をするということは家の後をとらないということになるので、大変親不孝な行為だったといわれています。しかし、まわりから親不孝と言われようが、それほどまでして自分自身の苦しみをどうにかして打ち消したいという思いがあったのです。きっとお釈迦様自身も、出家をするという一歩を踏み出すことは、とても勇気のいることだったのではないかと思います。
そしてお釈迦様は、修行の末に悟りを開きました。悟りを開いたお釈迦様は、出家をする前と比べて何が変わったのでしょうか?
それは、心が変わったのです。
この世の中は移ろい変わり、すべてのものごとは滅んでいく無常なものであり、人はいつか必ず死ななければいけない運命にあり、生きることそのものが苦しいことである。
そういう世の真理に気づき、これを受け入れ、乗り越えていくことができる心を作り上げたのです。
現状を打開したければ、チャレンジしなければいけません。チャレンジしなければ、何も始まらないし、何も動きません。
ここで勘違いしてはいけないのは、チャレンジして動かすのは「自分の心」です。相手を動かすのではなく、世の中を動かすのではなく、自分の心を動かすのです。悪い心を捨て、いい心に変えていくのです。貪りや怒りの心を捨てて、無欲で安らかな心を作り上げていくのです。自分の心を動かし、自分自身の心を変えて行くことが大切で、そのためにチャレンジしていくのです。
一歩踏み出すことは、とてつもなく勇気がいることです。しかし、現状を変えたいなら、どんな些細なことでもいいので、「これで自分の心が変わるんだ」と信じてチャレンジしていきましょう!