心が変われば人生が変わる
「この前はあんなふうだった」
「昨日は楽しかった」
「昔のことが忘れられない」
私たちはつい昔のことを思い出し、いつまでもその時の感情を引きずってしまいます。
善いことがあればいつまででも浮かれています。
悪いことがあったらいつまでも嘆いています。
腹が立ったらいつまでもその怒りが収まりません。
もう過ぎ去ってしまったことなのに、それに対しての感情はいつまでも続いてしまうのが私たちです。
過去のことを過去のことと理解せず、いつまでもその時の感情を持ち続けることを「執着」と言います。
執着からは悩み苦しみしか生まれません。
いつまでも過去にしがみついていたら、いつまでたってもその苦しみから逃れることはできないでしょう。
善いことだろうが悪いことだろうが、起こった過去の出来事に執着することからは、今すぐ離れるに限ります。
そこでどうするかと言うと、過去の解釈を変えることで、過去の出来事にとらわれないという方法があります。
例えば「上司に怒られた」という出来事があった時、腹を立てて怒りの感情を起こすことがあると思います。そこで腹を立てるのではなく「これは自分の成長につながる」と解釈することで、自分の怒りを抑えることができます。
また逆に「上司に褒められた」という出来事があった場合、うれしいという感情はその時一瞬の感情であり、「これはもっと精進しなさいという激励の言葉だ」と解釈することで、その時のうれしい感情を糧にさらに上を目指して努力することができます。
ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。
『ダンマパダ』
もしも汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人につき従う。
ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。
もしも清らかな心で話したり行ったりするならば、福楽はその人につき従う。
この世のものごとはすべて、自分の心が作り出しています。喜びも悲しみも、怒りも貪りも、悩みも苦しみも、すべて自分の心が作り出しているということです。
出来事は単純に出来事でしかありません。
「怒られた」という出来事は、単なる「怒られたという出来事」なのであって、それを受けて自分の心が反応して「怒り」や「悲しい」という感情を自分で作り出しているのです。
つまり逆に考えれば、自分の心を変えることができれば、あるいは考え方を変えることができれば、苦しみは消えていくということです。
考え方を変えるということは、解釈を変えるということ。過去の出来事そのものは変えることはできません。しかし、自分の心を変え、考え方を変え、解釈を変えることはできます。
どんなことでも善いほうへ善いほうへと解釈することで、「自分の人生って、実はとてもいい人生なんだ」と思えるように心がけましょう。