数珠の意味とは??

法事やお葬式など仏事で必需品の数珠

ところで、数珠はなぜ持つのでしょうか?

わかりやすく解説します。

数珠はなぜ持つのか?

百八煩悩を絶つため

数珠は念仏によって108の煩悩を絶つために持ちます。

昔から人間の煩悩は108あるといわれています。
この「108」という数字は、実際にある数としての108ではなく、最も多い数を108という数字を用いて表しているものです。

インドでは「108」は最勝の数といわれ、最も優れた数字とされています。つまり数珠を繰りながら108のお念仏を数えることによって、この上なく功徳を得ることができるのです。

木槵子経(もくげんじきょう)というお経に、こういうことが書かれています

木槵子(ムクロジュ)を108つないでいつでも身に付けて、三宝を称讃するたびに1つ繰りなさい。そうすれば迷い苦しみはなくなります。

「三宝を称賛する」とは、言い換えれば「お念仏をする」ということです。

数珠の珠を一つずつ繰りながらお念仏をすることで、煩悩が打ち消されて迷い苦しみがなくなるのです。

西山浄土宗の数珠

西山浄土宗では、下の写真のような2連につながった数珠を使います。

この2連になった数珠は、日常的に使用するものなので「日課数珠」といいます。

これは法然上人の阿波之介が考案したといわれている形で、たくさんお念仏を称えるために考えられたものです。

この数珠で3万回以上数えることができ、毎日3万遍のお念仏を称えることを日課にするように勧めているのです。

数珠の歴史

数珠は「数」の「珠」と書くように、珠を繰りながら仏様や真言、お念仏の数を数えるものとして使われていました。

また、数を数えながら仏様を心に思って念ずるので「念珠」ともいいます。

数珠の始まり

数珠の原点はお釈迦様が仏教を開く前。インドに振るから伝わるバラモン教に起源を持ちます。

バラモン教では「マントラ(真言)」を称える際、珠が輪っか状に連なったものを使い、その珠を繰りながらマントラを数えていました。

これを「ジャパ・マーラー」といい、「念誦の輪」という意味があります。マントラを心に念ずるための輪という意味です。

お釈迦様はこのジャパ・マーラーを使って数を数えるということに注目して、仏教に取り入れました。

そして仏教では、布薩の日を忘れないように日にちを繰るために使用していたといわれています。
布薩とは、自分が行ってきた行いを反省し、悔い改めることです。布薩は月に2回、15日と30日に行われていました。そのため、白黒で30の珠をつなげたものが、当時使用していたものであると考えられています。

ちなみに・・・

これはちょっとした余談ですが。

数珠の原点「ジャパ・マーラー」は「 japa-mârâ」と書きます。前述の通り「念誦の輪」という意味になります。ジャパ・マーラーは、西洋のほうへも影響をもたらし、キリスト教にも取り入れられています。

実は当時の人がこれを聞き間違えて「ジャパー・マーラー」「japâ-mârâ」と聞いてしまったのです。こうなると「バラの輪」という意味になるのです。

これがラテン語に訳されて「rsarium」すなわち「ロザリオ」になったという説があるのです。
またロザリオには「バラの冠」という意味があり、またロザリオの珠を繰りながら祈ることからも、バラモン教の「ジャパ・マーラー」に由来するといわれています。※諸説あります。

最後に

数珠はインド由来の歴史ある道具です。

仏事には欠かせないものですが、何気なしに使っている人も多いのではないでしょうか。

意味も分からず使うより、ちゃんと知っておくことで気持ちを込めて使うことができますね。

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