法然上人の常に仰せられける御詞に
「生けらば念仏の功つもり、死なば浄土に参りなん。とてもかくてもこの身には、思い煩うことぞなき」
とあります。
生きている間にはお念仏に励んでその功徳を積み、死ぬときには阿弥陀仏のお迎えにあずかって極楽浄土に生まれさせていただく。
そのように信じ切っている私には、思い煩うことはありません。というような意味になります。
年をとることも、仕事をすることも、人間関係も、そして生きることそのものが煩わしい世界に生きています。コロナ禍の中で特にそれらを感じるようになった気がします。
法然上人在世の時代も、あちこちで戦が起こり、飢饉にみまわれ、疫病が流行るなど、安定しない世の中だったといわれています。
そんな中に合って、法然上人はお念仏の歓びに生きる生き方を選ばれたのです。
生きることはつらく厳しく苦しいもの。
しかし、阿弥陀仏の救いの中にあることに気がつけば、何も思い煩うことはない。
安心して生きて、安心して死んでいくことができると説いたのです。
お念仏のいいところは、いつでもどこでも実践できることです。
食べているときも寝る時も、トイレでも、どこでもお念仏をして功徳を積むことができます。もちろん、直接お寺にお参りできなくても、インターネット越しにお念仏をすることもできます。
どんな時でも、阿弥陀仏によって生かされているという喜びをかみしめ、安心してお念仏のに励んで思い煩いのない生活をお送りください。