『順調に行っている時ほど自分の力は小さいものだ』
仕事でも勉強でも、恋愛や人間関係においても、何事においても物事が順調に進んでいくことは誰もが望んでいることであります。
私も最近、行事のたびに先頭にたって、周りをまとめてすすめていく機会が多くなってきました。
行事が問題なく、滞りなくすすみ、終了することができたときには、本当に心の底からホッといたします。
ところが、ついつい勘違いをしてしまうことがあります。
それは、だれのおかげで成し遂げることができたのかということであります。
ものごとが順調に行けば行くほど、自分が頑張って、自分の力でやっていると感じてしまいます。
それはたとえば、自分が車を運転していると思っているようなものであります。
私たちは、アクセルを踏めば簡単に車を運転する事ができると思っています。
しかし、その裏ではどれほどの力が働いているでしょうか。
アクセルを踏めばガソリンが燃焼されて、その力を使ってタイヤを回転させて走っています。
ハンドルを回せば、たくさんの部品が動いてタイヤを動かして、右へ左へと方向転換させることができます。
ほんの少しの小さな力だけで、重さ数トンもある鉄の塊を、時速何十キロという早さで走らすことができているのです。
これを、「私が」車を運転していると思っているのが、私たち人間であります。
仕事でも勉強でも同じです。
日清食品の創業者で、インスタントラーメンの開発者である安藤百福は
「順調な時ほど危機が訪れる」
と残しています。
安藤は47歳のときに、チキンラーメンを開発しました。
事業で大成功を収めているようにも見えますが、22歳で起業したあとも苦難が続いて、全財産を失った経験もあるそうです。
そんな安藤は実体験をもとに、順調な時ほど危機感を持つべきだという教訓を得たのでした。
それは、うまくいっている時ほど己の力を過信することなく、一生懸命に努めていくべきだと教えているのであります。
今、だれのおかげで、順調にいっているのか。
だれのおかげで、幸せに生きているのか。
しっかりと考えながら過ごして行きたいものであります。