寄付は自分を幸せにする
みなさんは、日頃から寄付をしているでしょうか?
あるいは、寄付という金銭にかかわらず、誰かを助けるという行為をおこなっているでしょうか?
イギリスのチャリティー機関である「チャリティーズ・エイド・ファンデーション」が、「人助けランキング」というものを発表しています。
これは、このチャリティーズ・エイド・ファンデーションが2009年から毎年行っている調査で、世界各国にアンケートを採ってその調査結果を報告したものです。
アンケートの内容は次の三つです。
「この1ヶ月の間に、見知らぬ人、あるいは、助けを必要としている見知らぬ人を助けたか」
「この1ヶ月の間に寄付をしたか」
「この1ヶ月の間にボランティアをしたか」
この三つの項目について、世界の国々で行われたインタビューをベースに国の寛容度を採点し、報告書を出しているそうです。
今年2021年は、114カ国が対象に調査が行われました。
さて、日本の結果はどうだったでしょうか?
実は、114カ国のうち、日本は114位で最下位だったそうです。
つまり、日本人は見知らぬ人を助けたり、寄付をするといったことを、ほとんどしていないということになるのです。
さらに、この結果を受けて調査機関では次のように報告されています。
「日本が世界では非常に富裕な国であるにもかかわらず、寄付があまり行われていないことが浮き彫りにされている」
日本は世界的に見れば富裕層であるにもかかわらず、ほとんど寄付をしていないことが取り上げられているのです。
この記事を見たとき、改めて自分の行いを振り返りました。
私は寄付をしているだろうか。
見知らぬ人を助けているだろうか。
ボランティアをしているだろうか。
思い返してみると、それらしいことは何一つとしてやっていないように思います。
これをきっかけに、少しでも誰かの役に立つように努めていかなければいけないと、自分で自分を戒める気持ちになりました。
ではなぜ、日本人は寄付をしないのでしょうか?それには、
「どこに寄付をしたらいいかわからない」
「何に使われているかわからない」
「組織に信頼性がない」
などの理由が挙げられるといわれています。
寄付をしたくても、選択肢のわかりづらさや信頼性の低さが、寄付をすることに対する障害になっているようです。
お釈迦様は人々に対して、しっかりと「布施」をするようにと説かれました。
布施は「施し」のことで、自分の持っている金銭やモノなどを物惜しみすることなく差し出すことをいいます。
インドでは昔から、「いいことをすればいいことが自分に返ってくる」「悪いことをすれば自分に悪いことが返ってくる」といいます。
布施をすることは「善行(いいこと)」であり、この功徳によって自分に何かしらのいい果報が返ってくると信じられているのです。
近年では、「お布施はお坊さんの読経に対する対価」であると説明がされていることが多いのですが、それは間違いです。
お布施は自分の功徳を積むための善行であり、言い換えれば修行の実践でもあります。
だから「お気持ちで」といわれるのです。
ともかく、寄付をするにしろ、人助けをするにしろ、布施をするにしろ、誰かのために何かをするということはとても大切なことです。
日本の仏教において、他人を助ける行いである「利他行」が特に重要視されています。
他者の幸せを願い、他人を助け、誰かのために一生懸命に努力することが、回り回って自分の功徳となり、自分の幸せにもつながるのです。
人はひとりでは生きていくことができません。
いつもどんなときでも、誰かの助けを必要とし、誰かに助けられながら生きているのです。
自分一人がよければいいというものではありません。
「自分がよければそれでいい」という考え方は、結果として自分自身を苦しめることにもつながります。
他者の幸せを願い、周りの人のために行動することが、仏教徒として大切な行いなのです。