なぜ紫陽花の花の色が変わるのか

総持寺の境内に咲いている紫陽花

日中の日差しが強く感じられ、ときには暑いとも思わせる気候となってきました。

いよいよ夏の訪れを感じさせる季節です。

境内に植えられている紫陽花も、満開の花を咲かせています。

紫陽花の花の色は、土の状態によって決まるそうです。

植物には、紫外線などの有害な光から自分の実を守るために、アントシアニンという色素を持っています。

紫陽花も同様で、このアントシアニンのはたらきが、花の色に影響をあたえているのです。

このアントシアニンは通常赤色ですが、土壌から溶け出してきたアルミニウムと反応すると、青色に変化します。

つまり、アルミニウムをたくさん吸収したアジサイは青色、しなかったものは赤色、その中間が紫色になるのです。

また、アルミニウムが溶け出す量は、水の酸性度によって決まるようです。

酸性だとよく溶けて、中性からアルカリ性だとあまり溶けません。

つまり、土が吸収した水が酸性なら青色、中性なら紫色、アルカリ性なら赤色になるということなのであります。

ちなみに、白色の紫陽花は、そもそもアントシアニンが含まれていない花なのだそうです。

日本は火山大国であるので、土壌が酸性のところが多く、町中で見かける紫陽花に青色が多いのはそういう理由だからでもあるそうであります。

しかし、赤色であろうが、青色であろうが、白色であろうが、どんな色の花であっても、それは紫陽花に変わりありません。

美しくきれいに咲いて、見る者の心を癒やしてくれています。

不思議なものであります。

紫陽花の花の色が、土の影響を大きく受けているという話を聞いたとき、まるで私たち人間そのものであるように思いました。

私たちは周りの人や環境の影響を受けながら生きています。

好きな人と出会うこともあれば、嫌いな人と出会わなければいけないこともあります。

うれしいできごともあれば、悲しくつらいできごともあります。

そんな中で私たちは、どのように生きていかなければいけないのでしょうか。

思い通りにいかなかったからといって、自暴自棄になってはいけません。

頂いたご縁をそのまま受け入れて、自分のやるべきことを一生懸命にやるしか道はないのであります。

赤色でも青色でも、美しい花を咲かせる紫陽花のように、私という一人の人間の一生を、美しく花咲かせていくことが大切なのではないでしょうか。

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