「服を買ったのに着こなせない」「同じ服ばかり着ている」「着ない服がたくさんある」といって悩んでいませんか?
毎日いろんな人と出会うので、ファッションには気を使っている人が多いのではないでしょうか。しかし、ファッション雑誌のモデルのようにはなかなかおしゃれに服を着こなすことはできません。
ここでは『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子 をもとに、本当におしゃれな人の服の買い方を紹介します。
おしゃれに対する間違った考え方
おしゃれな人ってどんなイメージがあるでしょうか?
スカートをはいて白で清潔感のあるかわいらしい服装の日があれば、またズボンとシャツで軽快な服装の日もある、またスーツのような服装でびしっと決めてくる・・・
そのように、毎日いろんな服装で、ズボンからスカート、シャツからスーツまで、あらゆる服をうまく着こなしているというイメージが無いでしょうか?
モデルと一般人は違う
しかし、これは雑誌の中だけの世界です。モデルさんが雑誌の中であらゆる服を着こなしていますが、それはあくまで職業であり、プロだからどんな服装でも上手に着こなしているように見せる訓練を積んでいるのです。
そんなモデルさんと自分を比べて、同じようにありとあらゆる服を着こなそうとするのは、どうしても無理があります。
そんなプロの人たちとは比べることなく、私たちのような一般人の目線からおしゃれな人を考えてみます。実はおしゃれな人とは、「ダサくない人」のことなのです。「ダサい」の印象は「おしゃれ」の印象の100倍強いそうで、一度ダサい服装をしてしまうことで、「あの人は実はダサいんだ」という印象がいつまでも残ってしまうのです。
そのことを思うと、同じ服でも自分に合うものを着ているほうが、はるかによく見えるというものです。
そのためにも、まずは間違ったおしゃれの感覚を正す必要があります。地曳いく子さんは著書の中で、四つの間違ったおしゃれ観をあげています。
間違ったおしゃれ観
『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子
①何でも着こなせる=おしゃれ
②おしゃれなものをもっている=おしゃれ
③流行を取り入れている=おしゃれ
④若い人の服=おしゃれ
おそらくほとんどの人は、この4つこそがおしゃれな人の感覚だと思うのではないでしょうか。しかし実際はその逆で、こうした間違ったおしゃれの感覚が、余計な服を増やし、結果としてさらにおしゃれから遠のいていくことになるのです。
先にも述べたように、おしゃれな人のイメージは何でも着こなせる人だというイメージがあるでしょう。しかし、これはおしゃれに対する間違ったイメージです。
例えば、「スカートは苦手で普段ズボンしかはかないから、どのようにしてスカートを着こなしたらいいかわからない」という悩みがあるとします。
しかし、考えてみてください。必ずスカートをはく必要はあるでしょうか?普段着慣れないものに挑戦して、失敗して逆にダサくなるほうが、かえって周りの目につきます。
この「なんでも着こなせる人がおしゃれな人だ」という間違った感覚が、おしゃれに対する悩みを増幅させているのです。こんな感覚は今すぐ捨ててしまいましょう。無理な服には手を出さず、自分の得意分野だけで勝負すればいいのです。
パンツが得意なら、ずっとパンツでOK。
『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子
Vネックが得意なら、引き出しの中が全部VネックになってもOK。
それがあなたのスタイルです。
「おしゃれな人」と「おしゃれが好きな人」は違います。おしゃれなものを持っている人がおしゃれな人だというのは間違った考え方です。
例えばブランド物のバッグやアクセサリーが好きで、毎日身に付けている人がいるとします。それがその人に似合っていれば「おしゃれな人」です。
もしちぐはぐなスタイルをしていれば、それはただの「おしゃれが好きな人」であり、「おしゃれな人」ではないということです。もちろん、当人が好きでしているのであるなら、その人の生き方なので何も言う必要はありませんが、「他人から見ておしゃれかどうか」を目指すなら、また話は変わってくるというものです。
ブランドのバッグやアクセサリー、その時の流行りの小物など、おしゃれなものを身に付けることはおしゃれを楽しむうえでも大事なことです。しかし、これらはあくまで土台あっての話です。服装や身なりと比べて、それにそぐわないものを持ち歩くことは、「おしゃれな人」とはいえないのです。
流行の取り入れ方を間違えるとダサくなる
また、流行を取り入れるということは、その時代の最先端を取り入れるということになります。トレンド色が強いと、おしゃれに見える度合いが強くなる分、流行が過ぎ去ってしまうとすぐにダサいファッションに変わってしまいます。
さらに、特に近年の流行は3か月もすればがらりと入れ替わってしまいます。プロでもない私たちが、そんな目まぐるしく変わっていく流行をいちいち取り入れることは不可能です。自分に合う物だけ取り入れれば十分です。
そして、いつまでも若くてきれいでいたいと思うのは当然のことです。しかし、その思いにいつまでも引きずられてはいけません。
よくある失敗が、若く見られたいがために若い時の服を着るということです。
また、若い人と同じ服装をしすることも失敗につながります。
10代、20代、30代、40代と年を重ねるごとに、スタイルや表情が変わり、さらには周りからの見られ方が変わります。それなのに、いつまでも昔と同じ服装をしたり、無理に若者と同じ服を着ようとするこで、内面と見た目とに食い違いが起こって、結果としてダサく見えてしまいます。いわゆる「無理な若作り」をしているように見られるのです。
おしゃれな人は若者の流行を取り入れるのではありません。20代、30代、40代と、その年齢にいる自分自身に見合った服装をしている人がおしゃれな人なのです。
おしゃれな人の服の買い方
おしゃれな人は、どんな風に服を選び、購入しているのでしょうか。先にも書いた通り、あらゆるジャンルの服を着こなしているというわけではないので、とにかく服を買いあさってき合わせているということではないのです。
本当におしゃれな人の服の買い方
『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子
・買っていいのは「今着るもの」だけ
・コスパは1シーズンに何回着るかで判断する
・「定番」「マストハブ」は絶対ではない
・自分の得意分野を見極める
・「買い足し」より「買い替え」
・30歳を過ぎたら、ボトムスにお金をかける
間違ったおしゃれ観を払しょくすることができれば、おのずと自分が必要とする服装も決まってくるでしょう。おしゃれな人とは、ダサくない人のことです。つまり、ダサくない服装を選ばないことが、おしゃれな服の買い方となるわけです。
まず、買うのは今着るものに限定するということ。これは言い方を変えると、昔に買ったけど今着なくなったものは捨てましょうということにもなります。「せっかく買ったのに着ないのはもったいないから、普段着ないけど着てみよう」と冒険するのは、一歩間違えるとダサい服装にもなりかねません。
わざわざそんなリスクを負う必要はありません。
つまり、「流行っているから」「かわいいから」「店員に勧められたから」服を買うのではなく、その服を買ったら、今着るかどうかを判断しましょう。「トレンド」が入った服装をしている人が必ずしもおしゃれではないことは、先にも書いた通りです。大事なのは、自分に似合うかどうか、なのであって、周りと同じかどうかを問題にしてはいけないのです。
雑誌やもモデルさんなどのファッションをみて、自分がそれに見合っていないとか、それは自分には似合わないとかいって劣等感をいだく必要もありません。雑誌のモデルはしょせん雑誌の中のおしゃれであって、自分とは違うのだということを理解しましょう。つまり、自分の得意分野を見極めて、似合わないものは似合わないとすっぽり受け入れてしまうことが大事です。
そして、服を買うよりもまずは捨てることを選びましょう。つまりたくさん服を持たないということです。
たくさん服を持っていると、いつしか着なくなってしまった服が出てきます。「最近この服を着てないな」と思って安易に着てしまうと、かえってダサくなるという結果になりかねないのです。また、流行は目まぐるしく変わります。流行に乗り遅れないようにトレンドを取り入れたところで、それを着こなすことは容易ではないことはこれまでも書いてきたところです。
「本当に必要な服」と「どうでもいい服」を見極めて、2,3着の服を着まわすだけで十分なのです。
あれこれ次から次へと服を買うのではなく、「着なくなった服があるから、その代わりに買おう」といって、買い替えるようにしましょう。
今持っているもので十分
仏教に「足ることを知る」という言葉があります。
等身大の自分を愛しましょう。
『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子
でないと、自分を不幸せにしてしまいます。
「きれいになりたい」「若くありたい」という欲求は、自分の意欲を向上させてくれるものです。これがあるから、人間はいつまでも美しくあり続けることができるのです。
しかし、「もっと、もっと」と欲深く求めてしまうと、かえって自分を苦しめることにもなります。
「どうして白髪が生えてくるの?」「どうしてこの服が似合わないの?」と悩む必要はありません。
白髪が生えてきたら染めればいいし、似合わない服は着なければいいだけのことです。無理に自分をよく見せることなく等身大の自分が一番ステキなのです。
私もかつてはおしゃれに時間を費やしました。おしゃれだけでなく、運動や趣味などいろんなものに手を出して、「自分をもっとよく見せよう」とか「自分はもっとすごい人間だ」と、「もっと、もっと」と欲を出しました。すると、思い通りにいかない自分に嫌気がさし、自分自身を否定し、悩み苦しむ日が続くこともありました。
無理に自分を着飾ることはないのです。
ありのまま、「足ることを知る」」ことで、見た目も人生もおしゃれに過ごすことができるのです。